東京コスモス電機(6772):純利益96%減・配当性向961%でも増配を続ける電子部品メーカーの「中身」
みなさん、こんにちは!『ゆるふわ投資部』の時間だよ。今回は東証スタンダードの「東京コスモス電機(6772)」。ボリュームなどに使われる可変抵抗器(ポテンショメーター)の老舗で、今は売上の6割を車載用電装部品が占めている電子部品メーカーだね。
高配当ランキングに載ってました!予想配当50円で利回り5%近いし、前の期も増配してるんですよね?
増配は事実だワン。ただし前期の純利益は前の期から96%減の0.28億円。それなのに配当総額は2.7億円で、配当性向はなんと961.5%だワン。「利益の10倍近い配当」がどうして成り立っているのか、今日はそこを解剖するワン。
基本データ
株価はランキングデータ(2026年9月18日時点)、その他はJ-Quantsおよび2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月7日)をもとにしています。なお同社は2026年1月1日付で1株→5株の株式分割を行っており、過去の株価・配当は分割調整後で比較しています。
| 指標項目 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,006円 | 2026年9月18日時点。1年前(2025年6月30日、分割調整後1,854円)から約46%下落 |
| 直近1年の高値/安値 | 1,880円/1,076円 | 高値:2025年7月3日、安値:2026年6月11日(分割調整後終値、6月末までのJ-Quantsデータ)。9月にはさらに安値を更新 |
| 予想PER/PBR | 約21.7倍/約0.88倍 | 今期予想EPS46.30円、前期末BPS1,142.73円で計算 |
| 予想配当/利回り | 50円/約4.97% | 前期40円から10円増配予想。予想配当性向は約108% |
| 自己資本比率 | 66.8% | 2026年6月末時点 |
| 時価総額 | 約68億円 | 株価×期末発行済株式数(自己株式除く)で概算 |
深掘り①:稼ぐ力を見る——営業利益は1年で半分以下に
まず2026年3月期の通期実績から。売上高96.01億円(前期比8.6%減)、営業利益4.57億円(同56.0%減)、経常利益4.60億円(同55.2%減)、純利益0.28億円(同96.0%減)。営業利益は前の期の10.40億円から半分以下になってしまったんだ。
どうしてそんなに落ちちゃったんですか?
決算短信によると、可変抵抗器は中国経済の低迷で生産設備向けが減り、国内無線機メーカー向けも低迷して売上36.08億円(13.1%減)。車載用電装部品は主要取引先の一部生産モデルが終了して59.92億円(3.9%減)、セグメント利益は56.2%減だよ。そこに原材料高と次世代製品への研究開発投資が重なったんだね。
純利益がほぼゼロになった直接の原因は「公開買付(TOB)関連費用等の特別損失」だワン。本業の落ち込みに一過性の費用が上乗せされた格好だな。それに今期に入っても回復していない。2027年3月期第1四半期は売上高20.68億円(17.3%減)、営業利益0.34億円(85.9%減)。通期予想の営業利益4.6億円に対して進捗率はわずか7.4%だワン。
7.4%……!通期予想は大丈夫なんですか?
会社側は、1Qの減収は中東情勢に伴う出荷制限、顧客の在庫調整、一部製品の生産移管による一時的な供給制約が原因で、通期の売上高には影響しないと説明しているよ。下期に需要を取り込んで売上高96.1億円(前期比0.1%増)、純利益3.13億円を見込んでいる。つまり計画は「下期にかなり偏った回復」が前提なんだ。
細かいが、もう一点。J-Quantsのデータを見ると、2026年3月期の通期決算は5月11日の発表後、5月29日に訂正が出ていて、営業キャッシュフローが6.02億円→5.44億円に修正されているワン。損益の数字は同じだが、開示の精度という意味では頭の片隅に置いておくべきだな。
深掘り②:還元する気はある?——「利益以上の配当」の実態
配当の推移を分割調整後で並べると、2025年3月期は175円(分割前)=分割後換算35円、2026年3月期は40円、2027年3月期予想は50円。利益が大きく落ちる中で、2期連続の増配なんだ。
利益が減っても配当を増やしてくれるなんて、株主思いの会社ですね!
気持ちはわかるが、数字で見るワン。2026年3月期の配当総額2.70億円に対し純利益は0.28億円で、配当性向961.5%。今期予想も配当50円÷EPS46.30円で約108%と、会社の予想どおりに回復しても「稼いだ利益以上を配る」計画だワン。
ただ、キャッシュの面では即座に危ないわけではないよ。前期の営業キャッシュフローは5.44億円(訂正後)で、配当2.7億円はまかなえている。現金同等物も29.5億円ある。純利益を押し下げたのは一過性の特別損失だから、「現金で見ればまだ払える」という判断なんだろうね。
問題は、営業利益そのものが縮んでいることだワン。一過性の損失が消えても、1Qの営業利益0.34億円のペースでは配当の原資は育たない。増配を続けるなら、下期回復の実現が絶対条件だワン。
深掘り③:倒れない筋肉はあるか——自己資本比率67%の余裕
財務は堅いよ。2026年6月末の総資産114.63億円に対し純資産76.59億円、自己資本比率66.8%。前期末の67.1%からほぼ変わっていない。現金同等物29.5億円は時価総額(約68億円)の4割強にあたるんだ。
PBRも0.88倍で、会社の純資産より株価のほうが安いってことですよね。
そういうことだワン。ただし2026年3月期の財務キャッシュフローは-7.86億円で、配当の支払いなどで現金は外に出ていっている。また2025年中に発行済株式数が158.1万株から136.5万株(分割前)に減っていて、保有していた自己株式の消却も行われたワン。資本効率を意識した動きではあるが、現金が毎期減っていく構図が続くなら、厚い財務も永遠ではないぞ。
ゼニラシの毒舌チェック:最大のリスクは?
最大のリスクは「稼ぐ力が落ちたまま、配当だけが先行している」ことだワン。①1年で営業利益が10.40億円→4.57億円に半減し、今期1Qも前年同期比85.9%減、②今期の配当性向は予想どおりでも約108%、③通期計画は下期偏重で、中東情勢や原材料価格(ナフサ関連など)が崩れれば未達の可能性、④株価は1年で約46%下落しており、市場はすでにこの不安を織り込みにいっている。なお2026年5月と8月の決算短信では代表取締役社長の名前が変わっていて、TOB関連費用の計上と合わせ、経営体制が動いている最中でもあるワン。
まとめ:ゆるふわ投資部の最終ジャッジ
東京コスモス電機は、自己資本比率67%・PBR1倍割れという守りの厚さと、利益を超える配当という攻めの還元姿勢が同居する会社だよ。一方で本業の営業利益は1年で半分以下になっていて、今期は下期の回復に賭ける計画。利回り5%の数字だけでは判断できない銘柄だね。
配当性向が100%を超えているときは、「現金がいくらあるか」と「本業がいつ回復するか」をセットで見ないといけないんですね。次の中間決算で下期の見通しを確認してみます!
その通りだワン。11月の中間決算で、下期回復のシナリオが崩れていないかが最大のチェックポイントだぞ。最終的な投資判断は、最新の決算や適時開示を自分の目で確認した上で、自己責任で下すんだワン。この記事は情報提供が目的で、特定の売買を勧めるものじゃないワン。














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